本研究室は情報電子工学科の電子工学分野の教育の一部を担当しています。電子工学の理解?設計には電気電子回路だけでなく数理的能力が必要不可欠です。2年生には電子回路、エレクトロニクス基礎実験1、数理統計学を講義し、3年生にはオペレーションズリサーチ、そして大学院修士1年には多変量解析を講義しています。他には通信教育課程の情報科学科において、数理統計学と電子回路1?2、オペレーションズリサーチ、そして情報科学専攻においても多変量解析を講義しています。
また卒業研究においては、電子工学と情報科学を総合的に取り扱い、統計的機械学習を用いた太陽光発電システムの異常検出?診断への応用をテーマに取り組んでいます。
基本情報
研究紹介
統計的機械学習アルゴリズムの改良研究
昨今、コンピュータが多変数データを学習して判断する機械学習が注目されています。日本の産業界で注目されている統計的機械学習アルゴリズムによる統計量の1つとしてマハラノビス距離がありますが、計算結果が不正確?不安定になる問題があります。そこで、マハラノビス距離の計算が正確?安定に実行できるようにアルゴリズムの改良を理論とコンピュータシミュレーションで進めています。これまでの検討の結果、学習サンプル数が不足する場合のマハラノビス距離の補正法や、コンピュータの数値誤差が与える影響の大きさのモデル、コンピュータの数値誤差の影響を受けない学習データの条件などの成果が得られました。
太陽光発電システムの異常検出技術の開発研究
日本全国や世界に太陽光発電システムの建設が進んでいますが、発電不良の発生により無視できない発電量の低下が問題となっています。そこで、発電不良の起こった太陽電池パネルを発見する技術開発の研究を行っています。太陽電池パネル中の発電不良の起こった太陽電池セルの異常電圧と該当セルの異常発熱との関係検討や、密封されたモジュール内部へ電気接触を取らずに変調レーザ光を不良太陽電池セルに照射するだけで不良セルの電圧推定を行なう技術提案を行っています。特に後者の技術を実際の太陽光発電システムへ適用可能にするために、学内で稼動中の太陽光発電システムにおける試験実施をめざしています。
論文発表?学会発表
論文発表
題名 | 研究室 | 内容 |
New precise model of studentized principal components | 小林靖之研究室 | 詳細 |
題名 | 研究室 | 内容 |
Improved method for correcting sample Mahalanobis distance without estimating population eigenvalues or eigenvectors of covariance matrix | 小林靖之研究室 | 詳細 |
題名 | 研究室 | 内容 |
変調光によるモジュール内セル電圧の非接触推定におけるセル電圧検量線の提案 | 小林靖之研究室 | 詳細 |
題名 | 研究室 | 内容 |
変調光と位相検波器を用いたモジュール内セル電圧の非接触推定 | 小林靖之研究室 | 詳細 |
Contactless Estimation of a Solar Cell Voltage in a Module Using Modulated Light and a Phase Detector | 小林靖之研究室 | 詳細 |
題名 | 研究室 | 内容 |
Effects of Numerical Errors on Sample Mahalanobis Distances | 小林靖之研究室 | 詳細 |
A Corrector for the Sample Mahalanobis Distance Free from Estimating the Population Eigenvalues of Covariance Matrix | 小林靖之研究室 | 詳細 |
標本マハラノビス距離の識別性能改善に関する研究 | 小林靖之研究室 | 詳細 |
学会発表
演題名 | 学会名 | 研究室 | 内容 |
[P42] 単線クランプによる太陽電池モジュール内セル電圧非接触推定 | 令和5年電気学会電力?エネルギー部門大会 | 小林靖之研究室 | 詳細 |
演題名 | 学会名 | 研究室 | 内容 |
New Sparse Modeling of Sample Mahalanobis Distance | The Conference of Data Science, Statistics & Visualisation (DSSV 2019) August 13-15, 2019 in Kyoto, Japan. | 小林靖之研究室 | 詳細 |
演題名 | 学会名 | 研究室 | 内容 |
D1-11 母固有値の推定を必要としない標本マハラノビス距離補正法の改良 | 第20回情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2017) | 小林靖之研究室 | 詳細 |
7-031 変調レーザー光と位相検波器を用いたモジュール内のセル電圧の非接触推定 | 2018年電気学会全国大会 | 小林靖之研究室 | 詳細 |
D-7-15 「うつ病?不安障害」有病者推定のための新規解析手法の研究 | 2018年電子情報通信学会総合大会 | 小林靖之研究室 | 詳細 |
演題名 | 学会名 | 研究室 | 内容 |
変調光と位相検波器を用いたモジュール内セル電圧の推定 | 電気学会 | 小林靖之研究室 | 詳細 |
先生ってこんな人研究の詳細や、研究に対する熱い思いなどを更に詳しくご紹介します
先生方が日々取り組んでいる研究について、どのようなきっかけで取り組むようになったのか、その研究はどのような形で社会に生かされていくのかなど、研究室紹介だけでは紹介しきれない内容や、普段なかなか知ることのできない先生方の研究に対する熱い思いなどをご紹介します。
小林靖之の紹介