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微生物薬品化学研究室 (高橋宣治研究室)
微生物薬品化学研究室 (高橋宣治研究室)

高橋宣治

当研究室は化学系研究室の一つであり、環境が異なる全国各地の土壌や特定種類の植物を採取し、そこに生息している種々の細菌、糸状菌、放線菌といった微生物の分離?保存を行っています。培養液中から、美白作用物質、動植物の病害虫に有効な物質、薬剤耐性菌が原因の感染症に効果的な物質など、医薬品や農薬の素材につながる物質を探索し、発見された物質についての構造や生合成経路の解明を中心とした研究を展開しています。講義では1年生で化学1と基礎有機化学、2年生で有機化学2、3年生で微生物薬品化学そして大学院で微生物薬品化学を担当しており、これらの講義を通して物質の構造や性質を深く理解できるものと思っています。

基本情報

教員名?所属 高橋宣治 / 理工学部バイオサイエンス学科
専門分野 天然物化学、有機化学、応用微生物学
研究テーマ 土壌や植物由来の微生物二次代謝産物から新規生物活性物質の探索
研究キーワード? 微生物、代謝産物、細菌、糸状菌、放線菌、抗菌物質、感染症
教員紹介URL?? ? https://www3.med.teikyo-u.ac.jp/profile/ja.a4e9fc9b321f2fda.html

研究紹介

美白を志向した微生物由来のメラニン産生抑制物質の探索

ヒト表皮のメラニンは表皮基底層にあるメラノサイトで生成されます。過剰の紫外線を浴びることでメラノサイトが刺激を受け、多量のメラニンが産生されます。皮膚局所で活性化されたままメラニンの過剰産生が続くと、シミ、ソバカス等、美容上の色素障害のみならず悪性腫瘍である黒色腫の原因ともなり、皮膚病理学上の大きな問題であり、これらを改善する薬剤が求められています。今日までに微生物代謝産物から種々のメラニン産生抑制物質の探索研究が行われてきていますが、実用化の面で期待される抑制効果を有する化合物は得られていません。本研究では、メラニン形成の律速酵素であるチロシナーゼの阻害活性およびB16マウスメラノーマ細胞(B16-2D2)のメラニン形成抑制効果を指標とした探索系において新たなメラニン産生抑制物質の発見をめざしています。

微生物におけるジャスモン酸の生理機能の解明

微生物でのジャスモン酸類の同定は、ジベレシン生産糸状菌であるGibberella fujikuroiやBotrytis cinereaなどの植物病原糸状菌から報告されていますが、他の微生物での報告例は少ないです。本研究においては、多種多様な有用二次代謝産物の生産能を有する微生物の中でも、その生育環境の異なる、寄生性糸状菌(昆虫寄生糸状菌や冬虫夏草菌)において、ジャスモン酸類の同定を試みています。ジャスモン酸類の同定が確認された後、これらの生産菌を用いて、ジャスモン酸生合成阻害物質の探索や外生ジャスモン酸の投与等によって二次代謝産物とジャスモン酸の関連を解明をめざしています。

寄生性糸状菌から新規生物活性物質の探索

昆虫に寄生する微生物として菌類やバクテリア等が挙げられます。この中でも菌類は、多種の昆虫に寄生し病気を引き起こすことが知られています。昆虫寄生菌の大部分は不完全菌類に同定され、これまでに数百種報告されています。昆虫寄生菌は、昆虫に寄生し病原性を発揮することから、微生物農薬としての利用研究および新たな殺虫活性物質の探索研究に期待が持たれています。これまでにも、昆虫寄生糸状菌類の代謝産物から数種の免疫抑制物質が発見されています。これらの化合物は、土壌微生物からのスクリーニング過程で見出され、意図的に昆虫寄生糸状菌にターゲットを絞りスクリーニングを行った訳ではありません。しかし、昆虫体内で増殖し、さまざまな二次代謝産物を産生し殺虫活性を示すこれらの微生物は、新たな生物活性物質の探索資源として注目されています。

先生ってこんな人研究の詳細や、研究に対する熱い思いなどを更に詳しくご紹介します

高橋宣治准教授の紹介

先生方が日々取り組んでいる研究について、どのようなきっかけで取り組むようになったのか、その研究はどのような形で社会に生かされていくのかなど、研究室紹介だけでは紹介しきれない内容や、普段なかなか知ることのできない先生方の研究に対する熱い思いなどをご紹介します。

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