国連が主導しているSDGsには、2030年までに国際社会が達成すべき
17のゴールと169のターゲットがまとめられています。
2000年にスタートしたMDGs(ミレニアム開発目標)をベースに、
取りこぼしのない持続可能な発展をテーマに議論が重ねられ2015年に採択されました。
大学は年齢や立場を問わず、さまざまな人に学ぶ場を提供し、
人類の叡智を社会に供給する機能を有している存在として、SDGs達成に貢献できると期待されています。
この価値を追求すべく、私たち帝京大学はSDGs視点で自らの活動を整理し、
未来につなぐ取り組みに注力しています。
ぜひ、帝京大学に蓄積された叡智に触れてください。
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社会課題を解決するためには、問題を構築しているさまざまな要素を理解することが重要です。歴史、経済、政治、哲学など、多岐にわたる要素を紐解くことで、問題の本質に迫る解決策を導くことができます。大学には、多くの専門的な分野が網羅されており、それぞれに精通した専門家たちが在籍しています。社会的叡智の集積地として大きな価値を有しています。
すべての世代に専門性の高い教育を学ぶ機会を提供している大学は、社会問題を解決する人材を醸成する場になり得ます。学問を修める、技術を極める、社会的な活動に身を投じる。方法は無数に存在します。学んだ内容を行動に落とし込み、効果検証することもできます。知識や知恵をチャレンジに変えていけるのも、大学がもつ普遍的で重要な価値です。
特に10代後半から20代前半の若者が多く集う大学は、社会の次世代を担う存在を生み出す重要な場でもあります。奨学金制度や留学制度も充実しており、国際的な異文化交流が生まれている場所でもあります。新しく豊かな可能性を持った若い人材たちを供給し続けることは、大学がもつ唯一無二の価値でもあります。
具体的に私たちが今取り組んでいる、さまざまな研究活動内容の中から、SDGsが掲げる17のゴール、
169のターゲットにフィットするものをピックアップしレポートします。
SDGs的視点から捉えたプロジェクトの形と、取り組む当事者達の意識がどのようにマッチしているのかを体感してください。
穀物は人類にとって極めて重要な植物です。特に稲は、日本人にとっては主食となる米をもたらし、歴史的にも文化と深く密接につながっています。しかし現代では気候変動をはじめとする要因が稲の生成に深刻な影響を及ぼしています。帝京大学理工学部では、世界的な課題を解決するために、稲のスペシャリストが遺伝子をはじめさまざまな研究に取り組んでいます。
ギグワーカーやクラウドワーカーなど、世界的に働き方が多様化しており日本も例外ではない。しかし、そうした人々の産業衛生状況の把握が遅れている。すべての人を取り残さない産業衛生の取り組みに迫る。
SDGsが抱える課題と世界の安全保障議論との共通性は多い。そのため、日本が再び戦争を繰り返さないために生み出された日本の近現代史の中にも、SDGs解決のためのヒントがある。
イラショナル?ビリーフとは、”?しなければならない”という思考を生み、寛容性を失わせる状態を指す言葉。状況を改善するには「喜びの共有体験」が役に立つという。SDGs解決につながりうる研究内容とは。
ルーラル?ツーリズムは、農林漁業地域=ルーラルが持つ資源を生かし、地域外の人びとにさまざまなサービスとして提供する取り組み。人びとが地域の力を再認識し活用するきっかけになるとして注目を集めている。
スポーツが持つ価値は、単に心身の健全性にとどまらない。被災地でも、途上国でも、高齢者向けでも、地域活性でも、スポーツの力が生かされている。社会的弱者に手を差し伸べるスポーツの価値に迫る。
世界で展開されているSDGsを視野に入れた途上国向け支援プロジェクトを活用し、SDGsへの学生の理解を深め、実践力を磨き、各地の歴史や文化に根ざした本質的な課題解決に挑む取り組みが始まっている。
SDGsの達成には、あらゆる分野における原理の追求と、それにともなうさまざまな研究の進化とアクションが欠かせません。”歩く原理”の解明を目指す探究の道筋は、社会課題解決への道筋になり得ます。
“こどもの健康”には、親の状況、地域の安全性、学校環境の充実など、無数の社会環境が影響しています。こうした環境を分析し、課題解決の方法を生み出すことは、SDGsの課題解決そのものにつながります。
あらゆる先端技術を活用して、「体を動かす」モチベーションを作り出す研究は急速な進化を遂げています。人間の骨や筋肉の専門家だからこそできる先端技術の活用事例を通して、SDGs解決へのヒントを探ります。
第二次世界大戦以後、国際社会は積極的に途上国での教育支援を行ってきました。現時点で世界の約90%の子どもたちが初等教育を受けています。教育がもつ可能性と課題とは何か。最前線に迫ります。
SDGsの視点で考えれば、廃棄物=ごみが少ない社会が良い社会だと言えます。「廃棄する」ことは製品に関わるエネルギーや資源などすべてを捨てることだからです。ごみという存在に詰まった、社会課題の本質を紐解きます。
モビリティ?マネジメントは、人の移動手段を分析、研究する分野。丁寧な現状把握と具体的な行動プランニングが行動変容に有効であることを実証しています。成果は多分野に応用され、SDGs解決に貢献しています。
難民問題は複雑な国際政治課題であり、長きに渡り国家間での議論が主流でした。しかし今、企業や大学を中心に、社会全体でこの問題を解決しようする動きが生まれています。難民の未来を照らす”アクション"に迫ります。
ユーグレナやクンショウモなど人の目に見えない微細藻類には、未来のバイオ燃料を生み出す巨大な可能性があります。急速に注目が集まる微細藻類の研究と、その展望に迫ります。
世界的に見て歴史が古い物理系の研究者ネットワーク。細分化された分野が数多に渡っています。この叡智のネットワークの活用方法に、SDGs解決のために必要なエッセンスを発見することができます。
SDGsにおける先進国、途上国という棲み分けは、特に先進国の責任を問いかけています。しかし「責任」をどのように先進国社会に浸透させるのかは難題のひとつ。その解決の可能性に迫ります。
2年ごとに働く人がすべて入れ替わる法人は、これからどのような可能性を見せてくれるのか。とあるゼミが始めたチャレンジに注目が集まっています。学生が継承する「イズム」について迫ります。
新しいエネルギーへのシフトが進んでいますが、まずは既存エネルギーの丁寧な活用は私たちがすぐに実践できること。省エネの定着に必要なのは、数字による可視化と行動による文化の醸成にありました。
女性研究者が自身のキャリアを長く追求することは、社会全体における課題解決の可能性が向上することでもあります。ここでは、帝京大学全体で取り組む女性研究者支援の可能性と成果について迫ります。
世界トップレベルの公衆衛生を実現している日本。その成立には「社会教育」の浸透が挙げられます。世界的にも評価される日本に蓄積されたこのノウハウが、SDGsの達成に貢献する。その可能性に迫ります。
化石燃料からの脱却は世界的な課題です。世界は、急激なスピードで再生可能エネルギーへとシフトしつつあります。エネルギーに欠かせない発想は「全体最適設計」。社会全体を未来につなぐキーワードです。