帝京大学教育学部初等教育学科
教授
中山京子 先生
公立小学校、国立大学附属小学校教諭を経て、京都ノートルダム女子大学で教員養成の仕事を始める。2010年、帝京大学の准教授に就任し、博士学位を取得。以後、現職。教育活動のかたわら、国際理解教育、多文化教育、社会科教育を専門に研究活動を継続している。
ゼミでは国際交流活動の一環として、グアムの高校生を受け入れ、ゼミ生が日本文化や学生生活の紹介活動を行う。ゼミ生がグアムに行って、彼らの現地の生活を知る機会もある。
チャモロダンスとは、グアムの先住民であるチャモロの神話や民話、現代の人々の想いをダンスで表現したもの。古い時代の踊りとスペイン統治時代の影響を受けたダンスなどがあり、衣装も異なる。グアムは日本に侵略された歴史もあり、学生はダンスを通してグアムの歴史や考えを学ぶ。
帝京大学小学校の教諭となったゼミ生が、小学3年生を対象に、チャモロダンスの披露から文化、言語、音楽など異文化を探究する授業を実施。その際にはゼミ生も小学生の学びをサポート。
たとえば、途上国から資源を得る先進国には「責任」があり、現代を生きる私たちは未来への「責任」がある。こうした「責任」が示す範囲は広く理解が難しい。中山ゼミのアクションは、まず、グアムの複雑な歴史を学ぶことで国家間や経済関係に隠された「責任」を認識する。そして、学んだ学生が、卒業後に教諭となることで子供たちに「責任」を教育する循環を生んだ。まさに、SDGsを教育の現場で実践している好例だと言える。