日本の書道文化を理解し、書道技法の継承とその指導者としての能力を修得できるよう、本研究所では、多くの貴重な書籍資料を活用した書道教育が実践されてきました。ここではそうした貴重な作品の一部をご紹介します。
これまで本研究所に寄贈いただいた貴重な作品などの一部をご紹介します。
帝京大学書道研究所では、この度、書家榎倉香邨先生から日展?読売書法展といった公募展出展作品を中心におよそ200点におよぶ貴重な御作の数々のご寄贈を受けました。書道研究所はこれらを今後の書道教育や社会教育に活用していきます。
榎倉香邨(えのくらこうそん)
書家。1923年(大正12年)兵庫県生。本名は弘。安東聖空に師事。
日本芸術院賞?日展文部大臣賞等多数受賞。日展会員?書道香瓔会会長。
これまで多くの高校書道の教科書に掲載され、近代書道史上における漢字仮名交じり書作品の金字塔称される作品の一つ「風の又三郎」(1942年)の作者と知られる森田安次(1912~1959)。帝京大学書道研究所では、森田安次のご遺族?河合雅子様より貴重な御作の寄贈を受け、現在その調査?研究を行っています。その成果は広く公表する予定です。
森田安次(もりたやすじ)1912~1959年
書家。青年期にかなを沖六鵬や安東聖空らに学び、後年において漢字や現代的な表現を手島右卿や上田桑鳩に学ぶ。戦後の漢字かな交じり書において、伝統的な表現の中に高い表現性を融和させた作品を発表し、漢字かな交じり書のパイオニアとして後世に大きな影響を与えた。