文学部では、人間と世界を多様な観点から問うという学問の原点に立ち返りながら、さまざまな職業にも応用できる「知の方法としての教養」を育むことを目標としています。そのため、学生の問題意識を大切にし、洞察力?思考力を鍛え、専門性と幅広い教養を身につける教育を実践しています。
各学科、各コースで専門的に深く学びながら、同時に国際的な視野に立った幅広い教養を身につけます。主体的に学ぶグループワーク、実践を通して学ぶフィールドワークを通じ、思考力、洞察力、表現力、問題発見と問題解決能力、さらにプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を養い、社会人としての基礎力を育みます。
関心の対象や将来めざす分野から自分の興味のあるテーマを探し、専門科目を選択します。複数のコースのなかから一つを選択し、学びを深めていく学科もあります。
学生一人ひとりの社会人基礎力、専門力の養成に主眼を置き、演習科目を八王子キャンパスの全学科3年次の必修科目として設置しています。この演習科目では、さまざまな課題に取り組む課題探求能力を育成することを目的として、教員と学生の討論をはじめ、学生による発表、学生同士の質疑応答や意見交換、グループワークなどを中心に授業を進めていきます。
文学部の学生は、八王子キャンパスの各学部?学科および帝京大学短期大学で開講する専門教育科目の一部について、履修することができます。修得した単位は共通選択科目として認定されます。
本学の理念である「実学」の精神に則り、心理学科でも、実験や検査の実習で実践的なスキルを身につけるためのカリキュラムを数多く設定しています。2年次の必修授業の「心理学基礎実験実習(心理学実験)」「心理学検査測定実習」では、心理学における代表的な実験研究や検査?測定法の体験学習を行っています。「ミュラー?リヤー錯視」などの人の知覚や認知の機能を調べる心理学実験、「質問紙法人格検査」など個人の性格を捉える検査を学生自らが参加者と研究者の役割になって体験します。これらの学習を通して、実験や検査の方法、データの分析法などについて実践的に学びます。授業では少人数のグループに分かれて行い、実験や検査に適した設備を用いた密度の濃い学習体験ができます。
心理学科では3年次から、自身の関心に応じて基礎心理、社会心理、実践発達、臨床実践の4つの領域から1つを選択してより専門的な学修に取り組みます。「心理学研究演習」では、各領域の教員のゼミを選択し、研究計画の立案、研究の実施、成果報告の一連の流れを自身の体験を通して学びます。子どもの行動を観察して研究できるプレイルームや行動観察分析室、脳波測定装置を備えた脳機能測定室、知覚や認知の実験を行える認知科学実験室など、各領域の研究を通して問題解決力を身につけます。
専門性と幅広い教養を持つ人材の育成をめざし、文学部は少人数教育を推進しています。たとえば心理学科の「研究ワーク型ゼミ」。幼稚園児と一緒に遊びながら「遊びの観察」を行い、心理学の基礎的手法である「行動観察」を学ぶ演習や、児童福祉施設や小中学校、知的障がい者施設などでボランティア活動にたずさわりながら心の支援活動について学ぶ演習など、体験的?実践的演習が行われています。これらは学生自らが研究テーマを設定し、積極的にディスカッションに参加しながら研究を行うという、少人数教育のメリットを最大限に生かした演習です。また、史学科では史跡購読や遺跡調査など、学生の人数を20人以下に絞った演習を多数開設しています。