2024年01月23日
2023年11月16日(木)?12月12日(火)、帝京大学総合博物館にて、本学外国語学部外国語学科准教授 大塲麻代のゼミが「フェアトレード体験記」の展示を実施しました。大塲准教授のグローバルスタディーズ演習では、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」に関連づけて、グローバル?サウスの国々と日本の関係について多角的な視点から学修しており、学修内容を実践に反映させるために実施した大学祭での活動を通して、本展示の実施にいたりました。
大学祭では、神戸市に本社を置く株式会社神戸珈琲からグアテマラ産のフェアトレードコーヒーを提供いただき、学生たちはフェアトレード認証の有無によるコーヒー農家に支払われる金額を比較した展示を行い、来場者に説明したうえで、来場者自身にコーヒーの値段を決めてもらい販売しました。大学祭2日目の午前中はあいにく雨天でしたが、2日間で約88,000円の売り上げがありました。売上金の使途については学生たちが協議し、国際NGO「Plan International」がグアテマラで実施している女性の自立を支援する活動に全額寄付されました。今回、学生の取り組みで興味深いのは、「購入者に金額を決めてもらう」という発想です。この点について学生たちは「フェアトレードは、生産者の労働に見合った対価で取引され、生産者の生活を持続的に支援することを目的としているため、取引価格が通常より高くなり、販売価格も上がります。日本ではフェアトレードに関する認知度は欧米ほど高くないため、私たちはフェアトレードの意義を説明したうえで、生産者の現状を購入者が知った時、その意識にはどのような変化がみられるのか知りたいと思い、購入者に金額を決めてもらう試みを実施しました」と話しました。
本プロジェクト活動を振り返った学生たちは、「最初はどの程度のお客様が来てくれるのか不安でしたが、予想以上に多くの方がコーヒーを購入し、フェアトレードについても知ってもらうことができました」「コーヒーがおいしいと二度も来てくれたお客様が複数いて、とてもうれしかったです」「今後購入者がフェアトレードを意識し、可能な範囲で生活に取り入れていくきっかけ作りになればと思っています」「フェアトレードを知ってもらうだけでなく、コーヒーの感想など反応を直接知ることができ、大変貴重な機会になりました」と話しました。
大塲准教授は「私たちの日常が途上国とのつながりにより成立していることを、活動を通して少しでも身近に感じる機会になればと思います。本活動は、学生たちの地道な取り組みにより成立したものです。このような活動を通して、一人ひとりが社会で必要とされるさまざまな力を身につけることができていればうれしく思います。全員が心を一つにして取り組むことは容易ではありませんし、その過程では必ず紆余曲折がありますが、やり遂げた時にそれは必ず達成感となり、自信につながると考えます」と述べていました。実践を通してサステイナブルな社会の創造にともに取り組むことができた今回の活動は、学生一人ひとりが、学んだことを社会に発信していきたいという熱意がもたらした結果です。今後も帝京大学では、SDGsをはじめとする学生の研究活動を応援していきます。
プロジェクトメンバー
外国語学部外国語学科英語コース
寺田春都、松岡颯音、森田優叶、林美樹嘉、湯本真奈、隝田アンジェラ七色、桐ケ窪舞、本間歩、篠原聖虎、目黒瑞己、安河内梨生、相坂紫円、利根川仁、竹内凛、安竹奈々、羽立理乃
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