2020年10月12日
帝京大学医療共通教育研究センター講師 山崎丘と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の共同研究が、国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)で行われる生命科学分野の研究テーマとして実施されます。
研究テーマは、「宇宙船内水環境微生物のオンボードモニタリング法の開発(Micro Monitor)」です。現在、ISS内の飲料水は極力再生水を使用しており、微生物がいないか培養検査で定期的に確認しています。しかし、月?火星探査など地球と距離が離れている場合には飲料水を地上に戻す機会が少ないことに加えて、検査までの時間的な遅延が課題となります。
そこで、ISS飲料水を地上に回収することなく、飲料水中の微生物が異常繁殖していないか、飲料水製造装置内の微生物の量的変動データを船内(オンボード)で計測できる高精度なリアルモニタリング法の開発が進められています。本研究は、軌道上から回収したISS飲料水中の微生物をリアルタイム計測が可能な粒子計により計測することで、宇宙船内の飲料水に適用できる新たな微生物管理法を提案することを目的としています。
今後、本研究はおよそ3年間にわたり行われる予定で、研究の成果は将来の長期間の有人宇宙探査における新たな飲料水管理技術として応用されることが期待されます。
【テーマ紹介】宇宙船内水環境微生物のオンボードモニタリング法の開発(Micro Monitor)
JAXAきぼう利用ネットワーク公式Twitterアカウント(@JAXA_Kiboriyo)
「宇宙実験って何するの?」をテーマに宇宙実験の舞台裏や実験に込める思いをつぶやきます。